こんにちは!すこぶです!
今回は炎症性腸疾患の味方、経腸栄養剤のエレンタールについてお話をしていきます。
私は難病の潰瘍性大腸炎を患っています。
潰瘍性大腸炎の症状がひどい時期は普通の食事ができなくなり、エレンタールが唯一の栄養源となっていました。
ですが、エレンタールという言葉に聞き馴染みのない方からしたら、エレンタールが薬なのか食べ物なのかわからないと思います。
エレンタールを初めて処方される方の参考になれればと思い、実際に私がエレンタールを使用してみてどうだったのかを書き記していきます。
目次
エレンタールとは
エレンタールは、消化をほとんど必要とせずに栄養を吸収できる成分栄養剤です。
1食で300Kcalを摂ることができます。脂質はほとんど含まれていません。
エレンタールは白い粉末で、アルミ袋に包装されたものが処方されます。

水またはぬるま湯で割った全体量が300~500mlになるようにして飲みます。(濃度は体調に合わせて変えます)
エレンタールを飲むための専用シェーカーは無償でいただくことができます。私はプロテインのシェーカーでつくって飲んでいます。
潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患の人は、症状がひどくなると消化器官が炎症を起こして傷ついてしまうことがあります。
消化器官が傷ついた状態で普通の食事をしてしまうと、消化器官に負担がかかり症状が悪化してしまいます。
そのため症状が悪いときはおかゆやうどんといった消化しやすい食事を摂る必要があります。
しかし、消化の良い食事ですら口にできないときがあります。
そこで活躍するのがエレンタールです。
消化をほとんど必要としないため、おかゆやうどんよりも消化器官に負担をかけることなく栄養を摂取できます。
エレンタールの味
そのまま飲むのはきつい
エレンタールを水で割ったそのままの味はかなり好き嫌いが分かれます。
ネットでの意見や周囲の評判を聞く限りでは苦手な方が多いようです。
私もエレンタールをそのまま飲むのは得意ではありません。
エレンタールの味が具体的にどんなものだったのかというと、匂いはレモンチーズケーキのような感じなのに、口に入れると苦くてエグみがあり飲み込みづらい味でした。
入院時にそのままのエレンタールを飲んでくれと出されたときは飲みきれませんでした。(担当医に「許せない味がする」と言って拒否した覚えがあります)
味を変える専用フレーバー
そのまま飲むのが大変なエレンタールを美味しく飲むために、味を変えるための専用フレーバーがあります。
エレンタールを処方してもらう際に「一緒にフレーバーを処方してほしい」と医師に伝えると、好みのフレーバーを処方箋に記載してくれます。
専用フレーバーは10種類あります。
ヨーグルト・オレンジ・パイナップル・青りんご・グレープフルーツ・さっぱり梅・マンゴー・コーヒー・フルーツトマト・コンソメです。
人気の味はヨーグルト味とグレープフルーツ味だそうです。私もヨーグルト味を愛用しています。
エレンタールの味が強烈なので、元の味を掻き消してくれるヨーグルト味が気に入っています。
ヨーグルト味は、駄菓子のヨーグレットに似た味をしています。


パイナップル味と青りんご味も飲んだことがあります。どちらも美味しいですが、私は少し薄味に感じました。(味の感じ方は個人差があると思います)
パイナップルはお菓子のパインアメのような味がします。青りんごもお菓子でよくある味に似ています。
病院の看護師さんに聞いたところ、フルーツトマト味も意外と美味しいそうです。
コンソメ味は、エレンタールのよくない味が消えないという意見を聞いたことがあります。
とてもおもしろいフレーバーだとは思いますが、自分で飲む勇気はありません笑
専用フレーバー以外での味変
専用フレーバーがないときには、別のもので代用することができます。
私はカルピスとリンゴジュースでエレンタールを割って飲んだことがあります。
どちらも濃い味の飲み物だったので、エレンタールと合わさると少しくどい甘さを感じました。
エレンタールを少量の水で割って、そこにジュースを入れた方が飲みやすかったかもしれないです。
(ジュースの量が少なすぎるとエレンタールの良くない味が表に出てきてしまうので調整が必要そうです)
専用フレーバー以外のものでエレンタールをつくるときには注意点があります。
グレープフルーツジュースやカフェインを含む飲み物は、内服薬に影響を及ぼすことがあるので避けなければなりません。
また胃腸に負担のかからないものを使用しないと、消化に負担をかけないというエレンタールの良さが損なわれてしまいます。
脂質や刺激物を含むものでエレンタールをつくるのは避けましょう。
気になる方は主治医に確認をとってから使用することをおすすめします。
ゼリータイプのエレンタール
エレンタールには味を変える専用フレーバー以外にも、エレンタールをゼリー状にできる専用フレーバー「ゼリーミックス」があります。
私は使用したことがないのですが、ゼリーにすることでエレンタールの独特の風味を軽減することができるそうです。
ゼリーをつくるときにも味を変える専用フレーバーを使用することができます。
エレンタールの味が苦手な方や、液体を経口摂取するのが難しい方におすすめです。
長期摂取する際に、飽きずに続ける工夫として取り入れる方もいます。
エレンタールの活用例
エレンタールは腸の機能が低下しているときや、普通の食事ができない状況で使用します。
私の例を挙げます。
潰瘍性大腸炎の活動期(症状がひどい時期)におかゆを食べて、胃の近くにある横行結腸に激痛が走ってしまったことがあります。
食事をするたびに痛みを感じていたので、徐々に食事の回数と量が減っていきました。
そこで私はエレンタールを1日3食摂ることにしました。
おかゆを食べたときと比べてエレンタールを飲んだときの方が痛みは感じず、胃腸に負担がかかっていないことを実感できました。
ただ、エレンタールを飲んだからといって潰瘍性大腸炎の症状を回復できるわけではないので数日後に入院しました。
ですが入院までの数日間はエレンタールのおかげで栄養失調にならずに済みました。
退院してからは、大腸に痛みを感じて動けないときや、何日もお腹を下して緩い便が続くときにエレンタールを使用しています。
大腸を休ませることで症状の悪化を防ぎ、症状が治まってからは消化の良い食事に切り替えて過ごしています。
エレンタールを処方されて困ったこと
エレンタールを初めて処方してもらったときに、少し困ったことがありました。
病院でエレンタールの処方箋を受け取り、いつもお世話になっている薬局で購入しようとしたところ、普段から取り扱いのあるものではないので問屋から取り寄せる必要があると言われました。
他の薬局でもエレンタールを常備していないか聞いてみたのですが、私が聞いたところではどこも置いていないと言われました。
特に専用フレーバーは取り寄せるまで時間がかかりました。
エレンタールは処方箋を出してもらった次の日に受け取れたのですが、専用フレーバーは受け取りまで4日ほどかかりました。
その後もエレンタールは処方されるたびに取り寄せてもらっています。
薬局によっては常備しているところもあると思うので、処方箋を出してもらったら薬局に連絡を入れるといいかもしれません。
他には些細な困り事なのですが、いつの間にかエレンタールの使用期限が過ぎていたことがあります。
処方されて半年くらいで切れていたと思います。
それだけエレンタールに頼らない期間があったというのは喜ばしいことなのですが、もしもに備えたいという場合は使用期限に気をつけて管理をしないといけませんね。
いかがだったでしょうか。
エレンタールは上手に活用できれば炎症性腸疾患の強い味方となってくれます。
私は食事ができなかった時期に助けてもらったので、エレンタールを命の恩人だと思っています。
これからエレンタールを飲む人や、エレンタールが飲みづらいなと思っている人の参考になれたら幸いです。
それでは、また別の記事で。
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